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第2回 Google 高広伯彦氏・花村祐哉氏・安田政弘氏インタビュー Googleガジェット広告が生み出す新しいビジネス

Googleは従来から「Google AdWords」というWeb上の広告サービスで大きな収益を挙げてきましたが、2007年9月19日にアメリカで発表された「Googleガジェット広告(Google Gadget Ads)」は、Googleガジェットに使われている技術を広告フォーマットに活用する、Google AdWordsの新しいオプションです。今回は、Googleガジェット広告の具体的な内容や、ガジェットやウィジェットに使われる技術がWeb上の広告においてどのような役割を担い、それ自体をどのように変化させていくのか、Googleの高広伯彦氏(上記写真 中央)・花村祐哉氏(同 右)・安田政弘氏(同 左)のお三方にうかがいました。

Googleガジェット広告というサービスの位置付け

--いわゆるガジェット、ウィジェットと言いますと、デスクトップ上にフローティングしているものというイメージがありますが。

花村 : 弊社の「Googleガジェット」には大きく分けて2種類ありまして、デスクトップ検索とサイドバーを実現する「Googleデスクトップ」用に提供しているガジェットのことを「デスクトップガジェット」と呼んでいます。これに対して、主に「iGoogle(Googleパーソナライズドホームページ)」向けに提供しているものを「ユニバーサルガジェット」と呼んでいます。

--デスクトップガジェットはアプリケーションの形で、ユニバーサルガジェットはWebブラウザ上で利用するガジェットということになりますでしょうか。その中ですと、Googleガジェット広告はどういう位置付けのものなんでしょうか?

花村 : そもそもGoogleはサーチエンジンからはじまって、そこに広告を載せていく形で発展してきた会社です。Google自体が持っているサイトと、それ以外にもパートナーサイトを集めまして、いただいた広告枠をネットワーク化・広告媒体として、広告主との仲介を行っているわけです。

Google AdWordsはテキストにはじまり、イメージ、動画と、フォーマットもリッチになってきました。Googleガジェット広告は、そこに配信できる新しいフォーマットということです。ユニバーサルガジェットで表現できるようなインタラクティブな技術をクリエイティブに活用して、Googleが持っているパートナーサイトのコンテンツネットワーク上に広告として配信できる、というのが一番簡単なご案内となっています。

--「Google AdSense」を利用しているパートナーサイトであれば、例えば普通のブロガーが運営しているウェブログ上にも、Googleガジェット広告が掲載されるということでしょうか。

花村 : そうですね。

高広 : Google AdWordsは広告主向けのプログラム、Google AdSenseは広告パブリッシャー向けのプログラムですが、要するに広告のユニット、スペースを提供しているわけですね。そこにはテキスト・イメージ・動画・ガジェットという4つのフォーマットで広告を配信可能で、どのフォーマットの広告を表示させるかはパブリッシャーさんが決めることができます。

--ユニバーサルガジェットが先にあって、これを広告に使えるじゃないか、という経緯で生まれたんでしょうか?

安田 : 結構難しいお話ですね(笑)。新しいフォーマットの広告を開発していて、結果的にユニバーサルガジェットと同じものになったとも言えますし。すべてがからみ合っているというか。

高広 : まあiGoogleの部署、Google AdWordsの部署とありますが、物事がリニアに動いている会社ではないですし、プロダクトが先にあったのか、ニーズが先にあったのかということは一概には言えないかなという感じです。

Googleガジェット広告の特徴と「新しさ」

--フォーマットのインタラクティブ性というお話が出ましたが、Googleガジェット広告の特徴として、従来のWeb広告・バナー広告と違うのはどんなところでしょうか?

花村 : まず、iGoogleに登録できるということがあります。あるGoogleガジェット広告を気に入ったら、広告先のサイトに直接アクセスしなくても、その一部を手元にずっと表示させておくことが可能なわけです。つまり、ユーザと広告主との間で継続的なコミュニケーションを取れる、というのが圧倒的に違うところですね。

また、こちらは広告主向けの機能になりますが、インタラクションレポートというものがありまして、配信数やクリック数だけでなく、Googleガジェット広告をマウスでどのように・どれだけさわったかといった情報まで知ることができます。広告効果の指標としたり、クリエイティブの改善に役立てたりと、さまざまな形で利用できると思います。

安田 : 私自身の印象ですが、ページのコンテンツに非常に溶け込みやすいということもあります。ページのテーマに沿った広告が表示される仕組みは以前からありますが、Googleガジェット広告はそれに加え必要に応じて動きがあったりする。広告というよりほとんどコンテンツの一部、小さなWebサイトのように振る舞ってくれるわけです。

一方で、Googleガジェット広告はその中だけである程度完結してしまうので、広告主の側からすると広告効果がどこにあったのかわかりにくい。配信数・クリック数だけでは、その効果が測れないわけです。したがって、それを可視化するためのインタラクションレポートなんです。

例えばGoogleガジェット広告の上にマウスが来ますと、これは少なからず興味があるのではないか。さらに2回3回とマウスが来れば、これは確実に必要があるはずだということで、はじめて1カウントする。というように、ユーザの興味という抽象的なものを計量化する仕組みになっています。

--インタラクションレポートは、新しい技術のおかげで実現できた機能ということでしょうか?

高広 : 技術的に新しいというよりは、Googleガジェット広告の評価軸のお話だと思います。広告というマーケティング手法の中で、たんにユーザがクリックしてサイトにアクセスしたことだけでなく、ユーザがその広告とどのようにエンゲージメントしたのか、広告素材そのものとどうインタラクションしたのかを指標として取れるということですね。

安田 : この部分がクリックされたとか、この動画が再生されたといった何十種類ものインタラクションの種類がありますので、さまざまな角度から広告効果を測るための指標が取れるわけです。

花村 : 例えばGoogleガジェット広告の中で検索する仕組みを提供している場合、検索はしなかったけれどプルダウンを開いて何かを選択しただけというように、ちょっと興味があったことを示すインタラクションも全部わかるようになっている。

高広 : Webサイトのアクセス解析のツールなどでも、サイト内のユーザの導線であったり、脱落率などがわかるものがありますが、同じようなことが広告素材の中だけでできるということですね。

--それでは、企業が提供するブログパーツとは、どう違ってきますでしょう?

高広 : ブログパーツはブロガーに選ばれて貼り付けられないと使えないものですよね。ところが、Googleガジェット広告は、広告主サイドで配信をコントロールできる。これが一番大きいですね。同じような動きをするガジェットやウィジェットでも、広告である限りは、どれだけのリーチを獲得できるかがとても重要ですし。

Googleガジェット広告の事例とこれからの展開

--これまでのGoogleガジェット広告には、どのような事例がありますでしょうか。

高広 : 海外の例ですと、例えばこのCoca-Cola社のものは常にミュージックランキングを表示し、そこをクリックすると音楽が聴けます。従来広告というのは完パケで入稿されるものですが、Googleガジェット広告は半ばリアルタイムで、広告自体が別のところに情報を取りに行くことができるわけです。

またIntelさんの例では、テニスのスカッシュ形式のゲームになっています。しかし、たんにゲームというわけではなく、Intel Centrino Duoプロセッサの入ったパソコンは性能が倍になるということをゲームで表現しているわけです。ある瞬間を切り取るだけではなく、広告自体にストーリー性を持たせることができるのもGoogleガジェット広告の特徴ですね。

--企業がサイトの一部の機能そのものをGoogleガジェット広告として提供し、その機能=商品となっているようなものもありますか?

花村 : チケットサーチやジョブサーチなどは非常によく使われている例ですね。また『Kickin' It Old Skool』のように、映画とも非常に親和性が高いと思います。Googleガジェット広告なら、ストーリーやキャスト・予告編などをその場で見ることができるので、必ずしも公式サイトに来てもらえなくても、その場でユーザに興味を持っていただける。コスト的にも効果的にも非常にリーズナブルではないかと思います。

--日本国内のGoogleガジェット広告は10月にリリースされましたが、反響などは?

安田 : 正式なリリースではあるんですが、オープンなリリースではないんです。ややこしいんですが(笑)。まだちょっと限られた人にしか使っていただけないということがありまして。

高広 : Googleガジェット広告に関しては、事前にご申請をいただく形になりますので、すべての人が使えるわけではないということですね。

花村 : 現状、広告代理店さんを経由してお申し出いただいた広告主さんのみご利用いただけるという制約はあります。やはり制作のところで時間がかかりますので、実際に配信して本格的に反響を得られるのはこれからですね。

逆に、われわれが期待するところを申し上げますと、代理店さんや広告主さんだけでは作りたいけど作れないというケースがあります。そこで、現在ガジェットやブログパーツなどを扱っている制作会社さんには、是非これを新たなビジネスチャンスととらえていただきたいですね。今足りないところが補える形になって、みんなハッピーになれるんじゃないかと。

また、iGoogleの方ではデベロッパー向けに「iGoogleガジェットコンテスト」を行っていましたが、開発者の裾野を広げる活動は、今後もやっていきたいと考えています。

--ありがとうございました。

文:坂本 寛(タブロイド)/widgetown編集部
2008年1月22日

グーグル株式会社 高広伯彦
広告営業企画チーム シニアマネージャー
広告商品の営業企画・マーケティング部署のチームリーダー。広告主・広告代理店に対して広告商品の提案支援を行っている。

グーグル株式会社 花村祐哉
広告営業企画チーム所属。広告主および広告代理店に対して広告関連製品の普及活動を担当。特にGoogleガジェット広告の利用促進に携わっている。
グーグル株式会社 安田政弘
プロダクトスペシャリストチームにて広告関連製品のローンチやポスト対応を担当。特にGoogleガジェット広告の技術面での支援に携わっている。

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