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第3回 Opera 市川恵貴氏・Andreas Bovens氏インタビュー 先進的かつオープンなOperaウィジェット その1

Internet ExplorerやFirefox(Netscape/Mozilla)に続く「第3のブラウザ」と呼ばれ、軽快な動作と高いセキュリティに定評のあるWebブラウザ「Opera」。そしてそのOperaの機能として搭載されているのが、「Operaウィジェット」です。今回は、様々なプラットフォーム上で動作させることが可能なこのOperaウィジェットについて、Opera Softwareの市川恵貴氏・Andreas Bovens氏にうかがいました。特徴的な機能の紹介を「その1」、それらを実現している技術的な話題を「その2」とし、2回に分けてお送りします。

その1 誰にでも「開かれた」Operaウィジェット

--まずはあらためまして、Operaウィジェットの特徴についてご説明いただけますでしょうか。

市川 : Operaウィジェットは、Web標準規格に則った技術で構築されています。HTML、CSS、JavaScriptというような、どの企業も独占していない、プロプライエタリではない技術のみでできあがっていて、多くの技術者の方に開かれた、オープンなものだと言えます。また、Operaはすでに15以上のプラットフォームに実装されていますので、同時に様々なプラットフォーム上でサービスを提供することができるという特徴もありますね。

--Operaが提供するマルチプラットフォーム環境にはどのようなものがありますか?

市川 : Windows、Macintosh、LinuxといったPC向けのOSはもちろん、Windows Mobile、Symbianをはじめとした組込み向けOS、JavaやBREWなどのアプリケーションプラットフォーム上で動作します。そしてこれらのプラットフォームを採用する携帯機器、家庭用ゲーム機、家電などにも広く対応しています。

--これはOperaが動作する=ウィジェットが動く、ということでしょうか?

市川 : Operaウィジェットの機能が搭載されているOperaバージョン9以降が動作する環境であれば、技術的にはウィジェットを利用することが可能です。ただ実際には、Operaを搭載する製品のベンダーであったり、デバイスメーカー、モバイルキャリアといった個々の顧客企業に、実際の製品戦略に照らし合わせてOperaのウィジェット機能を動作させるかどうかという部分を選択して頂いております。

--御社はノルウェー出身の企業ということで、ヨーロッパでのウィジェットの広がりは、アメリカや日本と比べていかがでしょうか。

市川 : 彼はベルギー人なのでアンドレアスに回答してもらいましょう。

アンドレアス : もうだいぶ日本に住んでますので、だからヨーロッパに詳しい、というわけでもないんですが(笑)。少なくともOperaウィジェットに関しては、ヨーロッパのものが多いです。以前Widget World Cupというものを催した時にも、優勝したのはポーランドでしたし。アメリカ、オーストラリアといった英語圏も、やはり多いですね。残念ながら日本のユーザが作成したもの、もしくは日本語化されたものは、まだ少ないです。

市川 : 日本ではサイト埋め込み型のウィジェット(ブログパーツなど)の方が、むしろデスクトップ型のものよりも流行っていて、ウェブ技術者のあいだでも話題になっているという印象を持っています。そしてまだ技術に詳しくない一般ウェブユーザの間では、ウィジェットやガジェットという言葉自体を知らないということも多いという状況は認識しています。

アンドレアス : 日本はウィジェットの利用や開発に関して遅れているというより、別の形で進化しているように見えます。例えばウィジェットに近いブログパーツなどは、アメリカやヨーロッパのものとは違う独自の進化を遂げています。デスクトップ用のウィジェットが日本で多くない理由の一つとして、DashboardウィジェットやGoogleガジェット、Vistaガジェットなどはアメリカやヨーロッパ発祥の技術であるため、そもそも開発者向けのドキュメントが英語のものが多いという問題もあるかと思います。

--日本国内のOperaウィジェットの広がりはいかがでしょう?

市川 : Operaウィジェットを日本に紹介してから1年以上経っているので、草の根的には開発者の方が増えているのを実際に見聞きしているのですが、公開されているウィジェットはまだあまり多くはないですね。弊社公式ウィジェット公開サイトには現在国別のメニューがないので数はわかりにくいのですが、日本のユーザが開発したものは数十個というところです。ただ英語版のウィジェットでも、設定メニューから日本語を選択し、日本語でも利用できるものはかなりあります。

--日本で人気のあるOperaウィジェットには、どんなものがありますか?

市川 : すでに日本でもかなりユーザが増えている「Twitter」というサービスがあります。このTwitterのコメントをウィジェットから閲覧したり、書き込むことができる「Twippera」は非常に人気がありますね。

 それから、弊社はノルウェー出身の総合格闘家ヨアキム・ハンセン選手をサポートしているのですが、2007年の年末に開催された格闘技イベント「K-1」に出場された際に、彼の応援用ウィジェットを2つほど「チーム・ヨアキム・ハンセン カウントダウンウィジェット」、「ヨアキム ニュースリーダー」を公開しました。一週間で数百のダウンロードがあり、こちらが思っている以上に、プロモーション目的としても有用だなと実感したところもあります。

 また日本発という意味では、「Unreal Soccer」のようなサッカーゲームもあります。自分と相手のチームを選んで、マウスを使ってプレイする形です。

--お二人が個人的に注目しているOperaウィジェットはありますか?

市川 : やはり先ほどのTwipperaのようなSNS系のウィジェットが便利ですね。例えば世界最大のSNSの一つである「Facebook」のOperaウィジェットもあります。友だちが今何をしているかなどを見たりするSNSは、常駐させる形のウィジェットが良くなじみますよね。

アンドレアス : 最近だと「World Factbook」は、CIAのデータとGoogleマップFlickrのマッシュアップですね。たくさんの国のデータを引っ張ってきて、その国の情報や地図、その国で撮影された写真などを見ることができます。

市川 :日本財政赤字時計(JAPAN DEBT CLOCK)」は、いわゆる日本の財政赤字の総額や国民一人あたりの金額がドンドン増えていくのを表示してくれます。

アンドレアス : これを見ると気分が落ち込むので、ダウンロードしない方が良いかもしれませんね(笑)。

一同 (笑)。

--Operaウィジェットに独自の機能やサービスというのは何かありますでしょうか?

市川 : まだ日本語化はされていないんですが、「Widgetize」というサービスがあります。これはブラウザ上で、デザインや機能、コンテンツのソースを選択していくだけで簡単にオリジナルのウィジェットを作ることができるサービスです。現在、RSSリーダー、「flickr」や「YouTube」などの写真・映像コンテンツビューアーの2種類のウィジェットを作成することができます。

 さらに、日本独自の試みとしましては、京セラ製ウィルコム向けPHS端末「WX320K」、「WX320KR」そして2008年1月に発表されたばかりの「WX330K」と「HONEY BEE」の4機種に、Operaフルブラウザのみならずパソコン向けのOperaブラウザもバンドルし、ウィジェットを通して端末と連携する機能「Opera サーバーサービス」を提供いたしました。パソコン上のOperaウィジェット経由で、端末内蔵のRSSリーダーと同じニュースを閲覧したり、スティッキーノートやフォトアルバムを共有することなどが可能です。

--企業が提供しているOperaウィジェットというのはあるんでしょうか。

市川 : 特定の企業のユーザ利便性向上もしくはプロモーション用途向けにOperaが開発したウィジェットはいくつかありますが、国内では他社制作のウィジェットというのは残念ながらまだ無いですね。今後は積極的に、弊社パートナーのコンテンツデベロッパーの皆様と協力し増やしていきたい項目だと考えています。特に将来、ウィジェット利用がデスクトップ以外のデバイスにも広がっていくにあたって、デバイスの特性に応じたユーザ層への新しいプロモーションチャネルとしての活用を多くの企業に提案していきたいと思っています。

--うかがっていますと、Widgetizeもそうですが、企業が主体となって提供されると言うよりは、個人のユーザが主役という感じもありますね。

市川 : コミュニティの方と一緒に製品を盛り上げていこうというのは、Opera創業以来の方針でもあるんですが、そういう意味では、特別なツールも必要なく、無料のテキストエディタひとつあれば誰でも作れるというところは今後も重視しています。

--(その2 技術としてのOperaウィジェット に続く)

文:坂本 寛(タブロイド)/widgetown編集部
2008年2月19日

Opera Software International AS 市川 恵貴
過去約8年間、IT系企業におけるオンラインマーケティング担当を歴任。2006年よりOpera Softwareコンシューマー製品部門にてマーケティングとビジネスデベロップメントを担当。Operaウィジェットの日本への紹介ならびに普及活動に携わっている。

Opera Software International AS アンドレアス・ボーヴェンス
元研究者であり、ウェブ開発者。2007年7月にモバイルやデバイス部門のQAエンジニアとしてOpera Software入社。現在はデベロッパーリレーションを担当するウェブ・エヴァンジェリスト。

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