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第4回 Opera 市川恵貴氏・Andreas Bovens氏インタビュー 先進的かつオープンなOperaウィジェット

Internet ExplorerやFirefox(Netscape/Mozilla)に続く「第3のブラウザ」と呼ばれ、軽快な動作と高いセキュリティに定評のあるWebブラウザ「Opera」。そしてそのOperaの機能として搭載されているのが、「Operaウィジェット」です。今回は、様々なプラットフォーム上で動作させることが可能なこのOperaウィジェットについて、Opera Softwareの市川恵貴氏・Andreas Bovens氏にうかがいました。特徴的な機能の紹介を「その1」、それらを実現している技術的な話題を「その2」とし、2回に分けてお送りします。

その2 技術としてのOperaウィジェット

--Operaウィジェットは、外部のアプリケーションから操作することはできるんでしょうか?

アンドレアス : 今のところは、Operaがないと動かないですし、Operaが起動していても、別のアプリケーションやOSと連動するような機能はないです。外部アプリケーションとの連携を考える際、いつも問題になるのは、いかにセキュリティを確保するかというところですね。

市川 : あまりOSに依存した機能を追加してしまうと、私どもの特徴であるマルチプラットフォーム環境での相互運用性が維持できなくなってしまうというところもあります。また、アンドレアスの言うとおり、セキュリティの観点ももちろん重視しなければなりません。

--W3C Widgets 1.0の規格策定が進んでいますが、こちらにはどのように関わっていかれるんでしょうか?

アンドレアス : W3C は様々なベンダーが集まって意見を出し、オープンな議論をする場です。ウィジェットの規格は現在「Working Draft」の状態ですが、おそらく今後はさらに現行のOpera ウィジェットの仕様とズレが生じてくるでしょう。標準規格策定の進捗に伴い、適宜Operaウィジェットとのズレを改修していくということになると思います。

--iGoogleやWindows Liveガジェット、ブログパーツなどのWebウィジェットと共用できる仕組みなどはお考えでしょうか?

アンドレアス : 個人的に、同じウィジェットを共用するというアイデアは面白いと思います。例えばWeb上から簡単にドラッグ&ドロップすることでOperaウィジェットとして使えるようになればとても便利ですね。ただ、それを実現するためにもやはり規格の標準化の作業は必要になってくると思います。

市川 : 今はすごく規格が乱立し混乱している状態と言いますか、各企業ごとに製品戦略や取り組み方も違うために、様々なウィジェット・ガジェットのプラットフォームが存在しています。まずは共通化された1つの仕様に統一していかないことには、ウィジェットの相互運用は、1アプリケーションベンダーのレベルではなかなか実現しにくいのではと思います。企業規模としてのOperaは非常に小さいため、非常に愚直な進め方になってしまうのですが、まずは企業横断的なコンソーシアム活動の中での標準化作業に貢献し、そこで議論され、規格化されたものを実装していくというプロセスを踏んでいるわけです。

アンドレアス : 標準化した方が、みんなで使っていきましょうとなった時の広がり方も違ってきますし、様々な企業・プラットフォーム間での連携も取りやすくなるでしょう。このことがいずれ、ウィジェット利用を促進することになるのではないでしょうか。

市川 : 例えばデバイスメーカーにとって、プロプライエタリな、一社で独占された技術を採用することは、長期的には一社に依存することによって市場の変化に対応できないなどのリスクが高いということもありますので、やはり汎用的で標準化された基盤技術という選択肢を提供することは、重要だと考えております。また、逆にユーザ視点ですと、技術云々ではなく、結局そこで何ができるのか、どんなサービスが提供できるかが鍵だということでもありますしね。

--Operaの先進的な機能として、こちらもWebブラウザ業界の事実上の標準となっている、あるいはなりつつあるSVGやcanvas等のベクター・グラフィック技術が搭載されていますが。

アンドレアス : Operaウィジェットは、そうした新しい技術の格好のショーケースになって いると思います。すでに面白いウィジェットはたくさんありますが、Operaがサポートしている技術の一部しか使われていないのが現状かなというところもあります。開発者にとっては、Opera向けに開発するだけで、パソコンやゲーム機、携帯電話など様々なプラットフォームに対応させることができるというメリットも享受できますし、Operaの開発者向けのサイトでもSVG関連のドキュメントなどが公開されていますので、開発者の方々にはこれらの資料も参照して、面白いウィジェットを作って欲しいですね。

 例えばSVGで作成された、こんな動きのある画像(※Operaで閲覧してください)も、右クリックしてソースコードを見てみると、非常に軽いコードでできていることが分かると思います。これは簡単な例ですが、SVGベースで面白いゲームなんかも作れるのではないかなと思います。

市川 : 前にご紹介した「Unreal Soccer」なども、canvasベースでできています。こういうゲームを作るという時に、日本だと普通FlashやJavaなどで開発されると思いますが、やはり多デバイス対応ということで言えば、こういう技術を使っていただけるとより有利でしょうね。

 また、Operaのレンダリングエンジンには、デフォルトで画面サイズを自動調整し、最適化されたウェブコンテンツをモニタに合わせたサイズで表示する機能があります。例えばWindows版のOperaでも「表示」→「ウインドウ幅で表示」としていただきますと、どんなウインドウサイズでも縦スクロールするだけで閲覧できる形でページを表現してくれます。

アンドレアス : モバイル端末向けにOperaウィジェットを開発する場合、スクリーンサイズやCPUの性能などの問題も出てきますが、例えばスクリーンサイズを取得して自動的に画面に合わせたウィジェットを表示したい場合には、この「Media Query Library」なども便利ですね。まだ新しい、誰もやったことがない分野ですし、ノウハウやドキュメントなどもこれからというところですが、日本でもできるだけたくさんの開発者の方々に挑戦して欲しいと思っています。

--ブラウザの拡張としてUser JavaScriptが実装されていますが、ウィジェットとの連携は可能でしょうか? User JavaScriptを使ってOperaウィジェットをブラウザの画面上に組み込んでしまえば、例えばFirefoxのアドオンのように、ユーザ側でOperaの機能を拡張することもできるようになるかと思うのですが。

アンドレアス : これもセキュリティの問題がありますので、今のところできないです。

市川 : オープンソースのソフトウェアとは異なり、Operaの場合は企業として開発している関係上、常にWebブラウザ本体は安全性が高く速度も最適化された状態で製品を提供しなければならないという側面があります。

--最後に、改めてウィジェット開発者にOperaウィジェットをアピール頂けますか。

市川 : くり返しになりますが、エンジニアやデベロッパ、サービス・コンテンツプロバイダの方々が考えていらっしゃるのは、やはり少ない労力でより多くのユーザにサービスやコンテンツを届けたいということだと思います。そして、開発するにあたって特別な技術を習得しなければならなかったり、高価なツールが必要だったりというようなハードルをいかに無くしていくか。そういう視点を軸にして、私どもはOperaウィジェットの開発を続けています。今後さらにドキュメントの日本語化、オンライン・オフラインでのイベントへの出展、コンテストの実施などにも積極的に取り組んで行こうと考えておりますので、是非一度Operaウィジェットに開発者として参加し、作成・公開していただければなによりです。

--ありがとうございました。

文:坂本 寛(タブロイド)/widgetown編集部
2008年3月4日

Opera Software International AS 市川 恵貴
過去約8年間、IT系企業におけるオンラインマーケティング担当を歴任。2006年よりOpera Softwareコンシューマー製品部門にてマーケティングとビジネスデベロップメントを担当。Operaウィジェットの日本への紹介ならびに普及活動に携わっている。

Opera Software International AS アンドレアス・ボーヴェンス
元研究者であり、ウェブ開発者。2007年7月にモバイルやデバイス部門のQAエンジニアとしてOpera Software入社。現在はデベロッパーリレーションを担当するウェブ・エヴァンジェリスト。

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